先日、私のポストに税務署から一通の封筒が届きました。 中身は「お買いになった資産の買入価格などについてのお尋ね」。
不動産営業時代にお客さんから聞いたことはありましたが、自分のところに届くのは初めて。「前回の申告で何か怪しまれたかな?」と一瞬ビビりましたが、職業柄、申告はキチンとしていますし、やましいことは何ひとつありません。
せっかくの機会なので、勤務先の税理士先生(所長)に色々と教えてもらいました。
1. なぜ、あなたのところに「お尋ね」が届くのか?
所長に聞くと、その仕組みは意外とシンプルでした。
- 登記情報との連動: 物件を購入して登記をすると、その内容が法務局から税務署へ流れます。
- 収入とのバランスチェック: 税務署は「この人の年収で、どうやってこの物件を買ったんだ?」という視点でチェックしています。
私の場合は、転職したてで年収が一時的に下がっていたタイミング。そんな「低所得者w」がいきなり物件を購入したわけですから、税務署が「おや?」と首を傾げるのも無理はありません。
2. 「お尋ね」の主な目的は2つ
回答欄をじっくり眺めてみると、税務署が何を知りたいのかが透けて見えます。
- 売主側の「譲渡所得」のチェック: 売主が売却益を正しく申告しているか、裏取りをしています。
- 「贈与税」の取り逃しがないか: これが一番のメイン!購入資金の出所を細かく聞くことで、親や配偶者からの「隠れた贈与」がないかを確認しています。
特に「支払金額の調達方法」の欄は、預貯金の名義人、借入先の住所氏名、果ては手持ちの現金まで、かなり詳細に書かされるようになっています。
回答欄の内容を見てみると、とても細かい…
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買入者の職業
年齢
前年所得の種類と金額
年間収入額
共有者の氏名と年齢・続柄・持分
買入資産の土地建物ごとの所在地、面積、
売主の住所・氏名・買入者との関係
買入の時期・登記日
買入価額・売買契約書の有無
底地買入のときは、借地人名・関係
登記費用・仲介手数料
支払金額の調達方法
預貯金から 金額・預貯金種類・預入先・名義人氏名・続柄
借入金から 金額・借入先住所氏名・借入名義人氏名
資産の売却代金から
売却年月日・金額・売却資産の名義人
売却資産の所在地・種類・数量
譲渡所得申告の有無・申告先税務署
贈与を受けた資金から
受贈年月日・金額・贈与者の住所氏名・続柄・
贈与申告の有無・申告先税務署名
その他から
給与・賞与・手持現金・その他
合計
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3. 親子・夫婦間で注意すべき「贈与」の落とし穴
所長(税理士)曰く、「不備が見つかりやすいのは夫婦や親子間のやり取り」だそうです。
- 夫婦間: 出資した金額の割合と、登記の持ち分がズレていると「贈与」とみなされます。
- 親子間: 「親から借りた」と言っても、返済期間が平均寿命を超えていたり、無利子だったりすると、それは借金ではなく「贈与」でしょ?とツッコミが入ります。
【対策のポイント】 親から資金を借りる場合は、以下の条件を整えておくのが安心です。
- 金銭消費貸借契約書をしっかり交わす。
- 市場金利(1〜4%程度)を設定する。
- 通帳振込などで、毎月返済している「証拠」を残す。
私の場合、親族と少し借入がありますが、最初から贈与税対策として「金銭消費貸借契約書」を作成し、毎月しっかり返済しているので準備は万端です!
4. デジタル時代の「お尋ね」対応
さて、2010年代と比べて、2026年現在の税務調査はさらに進化しています。
- マイナンバーとの紐付け: 資産と所得の把握スピードは格段に上がっています。「言わなきゃバレない」はもはや過去の話。最初から正直に、かつ論理的に回答するのが最短の解決策です。
- 「お尋ね」はチャンス: この書類は税務調査ではなく、あくまで「アンケート」のようなもの。ここでキチンとした回答を出せれば、「この人はしっかりしているな」と判断され、その後の本格的な調査を回避できる可能性が高まります。
- 提出は任意だけど……: 提出義務はありませんが、無視すると「何か隠している」と怪しまれ、再三の督促や実地調査に繋がるリスクがあります。素直に出しておくのが吉ですね。
まとめ:落ち着いて「事実」を書き込めば大丈夫
初めて届くと焦りますが、まずは一呼吸。 売買契約書やローンの控えを見ながら、事実を淡々と書き込んでいけば大丈夫です。もし「これって贈与になるのかな?」と不安になったら、一人で悩まずに税理士などの専門家に相談してみてください。
私も「低所得者の不審な物件取得(笑)」の疑いを晴らすべく、キチンと提出してきます!
💡 振り返ると
不動産営業時代は「売って終わり」でしたが、大家になるとこうした「税務」との付き合いが一生続きます。
- 書類の保管は徹底的に: 契約書はもちろん、メモ書き一つでも証拠になります。
- 膝と同じで、早めの対処が肝心: 税務のトラブルは、放置するのが一番良くない。違和感があれば、すぐに対策を打ちましょう。
- 所長(税理士)は最強の味方: もし身近に詳しい人がいなければ、地元の無料税務相談などを活用するのも手です。

